第35回学術集会 開催案内

第35回学術集会 会長
田中浩二(金沢大学 医薬保健研究域保健学系)

 


第35回学術集会・総会は、「こころのケアのユニバーサル化と安心の考究」をテーマに、2025年5月31日(土)~6月1日(日)にわたり、金沢市の会場(金沢歌劇座)とオンデマンド配信のハイブリッド形式での開催を予定しております。

精神保健看護学は、人が生きるすべての状況で必要とされています。本学会では設立時から先達の皆様によって、精神保健看護の知と実践を基盤として、プライマリーケアからセカンダリーケア、ソーシャルケア、リエゾン精神看護など幅広い領域で人々のメンタルヘルスやwell-beingに貢献して来られた経緯があります。そのような中で、この度第35回学術集会・総会会長を拝命しましたことに深く感謝申し上げます。

国内外には、自然災害や人道災害、感染症のパンデミック、温室効果ガス問題、貧困、虐待、社会的排除などによって日常性を脅かされた状態の人が多数存在しています。メンタルヘルスの問題をはじめとする健康障害は、Social Determinants of Health(健康の社会決定要因:WHO)の影響を受けることが知られており、日本でも自殺対策の理念において「自殺は個人の問題ではなく、社会の問題」として認識されています。脆弱性を抱えた人々や辺縁におかれた人たちをはじめ援助希求の声を発することの難しい人たちが、ヘルスケアの機会を平等に享受できるために、社会的包摂やサービスへのアクセスのしやすさを保障することが重要です。そこで、世界のすべての人々にこころのケアが届き、メンタルヘルスが保障されるような社会になることを願って、「こころのケアのユニバーサル化と安心の考究」をテーマといたしました。

学術集会では、国内外の精神保健看護に関するケアの課題とあり方、ソーシャルケアを通したこころのケアのあり方、自然災害や人道災害の支援、がん患者のこころのケアなど、精神保健看護に関する話題を幅広く取り上げ、こころのケアのユニバーサル化と安心について考究する機会になるような企画を考えております。プログラムの概要は、決定したものから順次ホームページ(https://nex-tage.com/japmhn35th/)でお知らせする予定です。

精神保健看護のダイナミックな知や実践を基盤として、専門家のみならず様々な人々が、立場や民族・制度などの垣根を越えて意見交換できるような学術集会をめざして、企画委員・事務局員一同、準備を進めてまいります。演題登録ならびにワークショップの申込は、2024年10月23日(水)より開始いたします。会員の皆様のご参加ならびに研究発表を心よりお待ちしております。