第34回学術集会 開催報告

第34回学術集会 会長 岡田佳詠(国際医療福祉大学 成田看護学部)

2024年6月1日~2日の2日間、日本精神保健看護学会第34回学術集会・総会を、国際医療福祉大学成田キャンパスにて開催いたしました。本学術集会・総会の開催にあたり、寺岡理事長をはじめ、理事・監事、評議員の先生方、会員の皆様に多大なるご協力とご支援を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。

参加数は800名(会員481名、非会員213名、学生3名、当事者・家族18名他)で、皆様からのアンケート結果は以下の通りでした。

 





4.第34回大会に関する感想

  • オンデマンド配信に非常に感謝しております。あと少しだけ配信期間が長いとありがたいです。
  • コロナ禍以降、初めての対面参加でしたので学びの体験が久しぶりで嬉しかったです。
  • たくさんの方に刺激を頂き、実りの多い2日間でした。今後も継続して参加したいです。ありがとうございました。
  •  とても関心のあるテーマだったので有意義でした。(CBT)
  •  ポスター発表があると、研究者同士のつながりが増え、空いた時間の活用がうまくでき、さらに良い機会となったのではと思います。
  •  一般演題で発表する機会をいただき、非常に良い経験ができました。ありがとうございました。
  •  駅からすぐ近くの会場だったのでとても良かったです。成田山への観光も十分できました。
  • 会場がコンパクトにまとまっていて、移動労力がなくとても良かったです。充実した内容が大きく、オンラインでも受講できるためとってもありがたい学会でした。学会運営大変だったでしょうが、学生さんはじめ丁寧に方が多く、参加しやすかったです。ありがとうございました。
  •  会場がとても綺麗で広く、落ち着いて参加できました。
  • 会場へのアクセスが非常に悪い。学会参加費も高い。
  •  関心の高い演題が多く、充実したプログラムだと思いました。シンポジウムや教育講演はオンデマンド配信していただけるため、一般演題やワークショップに参加しやすく、視野を広げることができました。
  •  企画内容、会場案内など全ての面において気持ち良く参加できました。また、久々の懇親会も良かったです。
  •  交通の便が複雑だった。駅前に矢印の看板があるか、担当者に方向づけをしてほしかった。
  •  今回、CBTのことを学ぶことができました。ありがとうございました。
  • 最寄り駅からの近さ、会場が新しく広く、気持ちがよかったことがとても印象に残りました。会場の案内担当の方も親切でした。また、当日を含め様々な手続きがとてもスムーズでした。内容も幅広く、CT-Rやヤングケアラーについて、など大変関心を持って聴講させていただきました。ありがとうございました。
  • 初めて参加しました。自分の課題を解決する上での示唆を得られました。
  • 数年ぶりに参加しました。日本精神保健看護学会では、過去に共に働いていた仲間など、多くの知り合いと再会できることが嬉しいです。明日を頑張る糧になります。精神科看護師として今知っておくべきことを知ることができた、有意義な2日間でした。理事会企画シンポジウムで黒田先生が話されていた、組織内での虐待防止の取り組みも大切だが、そもそも虐待を受けやすい人を減らしていく、という言葉が新鮮で印象的でした。それはただ単に精神科入院患者を地域移行していくことではなく広義な意味を持つのだと思いますが、精神科医療に携わる人たちがそうした意識を持つことがまず大切だと感じました。今学会を運営してくださった方々、ありがとうございました。
  • 精神科は専門ではないのですが、自分の専門分野にも活かせる話がきけました。対象者を共通のスケールを使用してアセスメントするなど、活用していきたいと思います。
  • 大会長をはじめ、事務局長、企画委員、実行委員、そして学生さん、皆様に感謝申し上げます。
    また、大学構内での開催は、共に考え、創り上げていった手作り感があり、とてもよかったと思います。皆様お疲れさまでした。
  • 都合により参加できませんでしたが、当日行われた一般演題も聴講したかったので、オンデマンド配信していただきたかったと思います。
  •  内容の濃い有意義な学会だったと思います。
  • 内容も勉強になって、会場も駅から近くてよかったです。南先生のお元気な様子を拝見して、自分もがんばらなくてはと思いました。うなりくんが可愛かったです。学会の最初に受付をしなくていいのは、合理的でよいと思いました。2日間お弁当があって、ありがたかったです。
  •  認知行動療法についての講義を受けることができて良かったです。
  • 認知行動療法に関するテーマが強かったように思いましたが、自身を振り返る機会となり、とても興味深く、様々な場所でボジティブに活用したいと思いました。一般演題の会場では座長や質問者の声がマイクを使用しても聞き取り辛かったのが残念でした。他は会場移動が少なく、参加しやすかったです。作業所等の物販も臨機応変に変更してもらい、購入しやすかったです。大会準備運営の皆様、ありがとうございました。
  •  非常に学びの多い大会でした。会場がひろく、トイレなどの混雑がなかったのはよかったです。一日目の開始時刻が早く、関西から当日発の参加では会長講演に間に合わなかったのが残念でした。

5.今後の学術集会へのご希望

  •  オンデマンドも継続希望いたしましす。なぜなら事情により現地参加が叶わない方にも、学びの機会を提供していただいからです。
  •  ワークショップも良いが、以前のように一般演題での討論の時間が欲しい。
  •  会員間の交流の場としてワークショップや懇親会が充実できれば良い。特に若い会員に向けて。
  •  学問として精神科を発展させることは、生きやすい社会の構築にも繋がるのだと思いました。
  •  看護と認知行動療法について
  •  交通アクセスのよい会場での開催を希望します。
  •  今回のように、メインの演題だけでもオンデマンド配信していただけると多くの講演を聴講できて嬉しいです。
  •  今後も参加させていただきたいです。
  •  実践で活用できる内容を盛り込んでほしい。
  •  他学会との合同大会を企画するなど、新たな風が本学会に必要だと感じました。
  •  当事者の方のご参加があるのもうれしいです。
  •  普段関わることが少ない分野ではありますが、ないわけではないので、新しいことなどを知る機会になると思います。
  •  臨床の看護師が気軽に参加できる企画があるといいと思いました。
  •  特になし

6.参加種別

7.勤務先

  • 愛知県立大学
  • 医療法人社団仁成会 高木病院
  • 医療法人菅野愛生会緑が丘病院
  • 桑名市総合医療センター
  • 五稜会病院
  • 国際医療福祉大学大学院
  • 三重県立子ども心身発達医療センター
  • 社会福祉法人 天心会 小阪病院
  • 精神科病院
  • 聖マリア学院大学
  • 大学
  • 長谷川病院
  • 東京医科歯科大学病院
  • 病院
  • 富山福祉短期大学
  • 福井大学
  • 訪問看護ステーション
  • 訪問看護ステーション
  • 北見赤十字病院

8.どちらから

9.非会員の方にお伺いします


今回のテーマ『共に考え、創り、積み上げる』は、認知療法・認知行動療法(精神療法の一つで、多数の精神疾患に適用)の基盤となる協同関係の構築を具現化したもので、メンタルヘルスの課題を抱える当事者と私たち精神保健看護に携わる者とが『共に考え、創り、積み上げる』体験を重ねることで、一人ひとりの希望の実現とその人らしい人生を全うする未来が拓かれる、との思いから掲げました。

会長講演では、自身の実践や研究を踏まえて『共に考え、創り、積み上げる』経験について講演し、特別講演では日本認知療法・認知行動療法学会理事長 藤澤大介先生による「認知行動療法:4つの習得レベルと14の基本原則」、さらに教育講演では、武蔵野大学教授 菊池安希子先生から「『リカバリーを目指す認知療法(CT-R)』が精神科臨床に与えてくれるもの」についてご講演いただき、認知療法・認知行動療法の発展とそれを支える『共に考え、創り、積み上げる』という協同関係の構築の重要性を伝えました。また本テーマと関連し、今回、メンタルヘルスのヤングケアラーという当事者のお立場から、小林鮎奈先生に「見ようとしないと見えない理由はなぜなのか?子どもを支えることは未来を支えること」についてお話をいただきました。さらに、長野敏宏先生には、多くの仲間とともに愛媛県愛南町における精神保健医療福祉の変革に取り組まれ、「地域づくり」「様々な社会資源づくり」「精神科医療の構造変革」へと積み上げてこられた貴重なご経験を講演いただきました。

また学会のこれまでの歩みと今後のあり方をテーマにシンポジウム1を開催し、学会設立に貢献され、この春に、瑞宝中綬章を受章された南裕子先生、また学会の創設・発展に貢献された第3期理事長 中山洋子先生、第4期理事長 武井麻子先生にご登壇いただき、参加者と語り合う機会を設けました。シンポジウム2では、今後の精神保健看護の未来を見据え、テクノロジーをどう活用するかに向けて、VRやメタバース、生成AIといった当事者と支援者のメンタルヘルスを支える技術を共に考えました。さらに、シンポジウム3では、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムが推進されるなか、精神看護外来の機能強化が必須であることから、当事者の方を交えた、「今、求められる精神看護外来の専門性」について議論する場を設けました。

市民公開講座「改めて、こころの健康を考える~感情とからだに意識を向けて~」は、成田市に多大なるご協力を賜り、多くの市民の方にご参加いただき、大変好評でした。

本学術集会・総会は、多数の学会員のみならず、総勢50名に上る学部生や卒業生のボランティアにも支えられ、まさに皆で『共に考え、創り、積み上げる』、アットホームな学会となりました。学部の参加者が一般演題で質問し、周囲から拍手が出る、微笑ましい場面もみられました。
改めまして、本学術集会・総会にご尽力を賜りました皆様、誠にありがとうございました。